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注目製品
“呼吸する”声門上エアウェイ air-Qsp

“呼吸する”声門上エアウェイ air-Qsp

ブランド:AirLife

air-Q3シリーズでは、カフにエアを入れて調整することができる従来のタイプに加え、カフ圧管理が不要な自己膨張タイプ 「SP(Self-Pressurizing)」(上画像)をご用意しております。SPはその名の通り、吸気に合わせてカフが自動で膨張するタイプになります。

SPタイプの特殊な仕組み
SPタイプは、シャフトとカフ内腔が小さな孔で繋がっており、換気ガスがカフ内腔にも入り込む構造(図1)となっています。これによりカフ内外の圧力が均衡して「気道内圧≒カフ内圧」となり、咽喉頭へ過剰な圧力が掛かることを防いでくれます。また、患者の生体反射によりカフに強い圧が掛かった場合でも圧を逃がすことができます。

 
SPタイプの断面図

 

吸気時、呼気時の動き

 

SPに関するよくある質問
Q:SPは強制換気時の陽圧を利用して膨らむ仕組みになっていますが、自発呼吸を残した麻酔においてはどのように働くのでしょうか?
A:自発呼吸時は吸気時に気道内が陰圧になってカフが凹むのではないか?というお問い合わせをいただくことが多いですが、実際は吸気時の陰圧によってカフが受ける影響はごくわずかです(下記、臨床動画参照)。これはカフの内側にも外側にも同様の陰圧が掛かるためであり、基本的にはカフの内外に掛かる圧が均衡することで効率よくシールする設計になっています。
呼気時は陽圧換気時/自発呼吸時どちらも大気開放となりますので、PEEPが無ければ気道内圧はゼロになります。この時、カフ自体は張力により元の形状に戻ろうとします。

 
Q:SPは呼吸に合わせて膨張と開放を繰り返しますが、カフの周りの分泌物が気道内に垂れ込むことはないのでしょうか?
A:気管内チューブと異なりSGAでは喉頭に蓋をしているだけの状態であるため、解剖学的に誤嚥を完全に防ぐことはできません。上記のとおり、カフの膨張・開放の動きは非常に僅かですので、通常の換気圧の範囲においては、従来型のair-Q3と大きな違いはありません。

 
Q:リークが発生する場合はどのように対処したらよいですか?
A:air-Q3シリーズは全てシリコン製ですので、留置後しばらくすると体温により馴染みが良くなります。それでもリークがある場合は、位置の調整によりリークを改善できるかどうかご確認ください。他にはサイズを変更することで改善する場合があります。

 

自己膨張式air-Qsp3Gを用いて自発呼吸下に麻酔管理した症例

 
古賀先生の取得資格

 


症例情報
症  例:70歳台女性
病  名:脛骨高原骨折
術  式:関節内骨折観血的手術
手術時間:27分
麻酔時間:1時間37分
換気モード:自発呼吸

 
動画撮影時の使用デバイス
→air-Qsp3G サイズ3
→カテーテルマウント
→ディスポーザブル気管支鏡

動画撮影時の使用デバイス

 

術中管理や術後経過
導入前に坐骨神経・後大腿皮神経・伏在神経に対し神経ブロックを行った。フェンタニル、プロポフォールを投与し、下顎を持ち下げて開口した際に体動がないことから十分な麻酔深度であることを確認し、air-Qsp3Gを挿入した。セボフルランで麻酔を維持し、呼吸数が1分間に10回程度となるようフェンタニルを少量ずつボーラスすることで体動なく手術は終了した。完全覚醒でair-Qsp3Gを抜去し、気道の開通を確認後、病棟へ帰室した。術後は疼痛の増強なく、早期に自宅退院された。

コメント
声門上器具は気管挿管と比べて咽頭痛や嗄声を軽減し、挿入時や抜去時の循環変動も少ない。自発呼吸との同調性も良好であり、自発呼吸で管理すると術中の麻酔維持を最適化でき術後の回復を早めるため、四肢や体表の手術で筆者は好んで使用している。自発呼吸を温存した全身麻酔管理を習得すると自然気道での鎮静管理にも応用でき、麻酔の幅が広がる。air-Qsp3Gは数例経験したのみだが、フィッティングが良好で入れ直しを要さなかった。陽圧換気ガスを利用した自己膨張式のカフは陽圧換気を念頭に置いた製品だが、自発呼吸管理において問題はなかった。

 

air-Qsp3G挿入直後

自発呼吸下での換気の様子

 

air-Q3シリーズの特徴

ガストリックアクセス
左右のガストリックアクセスポートにより、胃内へのアクセスが可能です。(Gタイプのみ)
Gタイプでは全てのサイズに胃管チューブ等を入れるためのポートが付いています。

 
ガストリックアクセス

 

特に新生児サイズで胃管チューブが挿入できるポートが付いていることは大きなメリットをもたらします。

 
品名
 
品番
 
サイズ
 
患者の体重
挿入可能な
気管内チューブ
の最大サイズ
 
最小開口幅
開口部までの
チューブの
長さ
挿入可能な
胃管チューブ
の最大サイズ
air-Qsp3G 10-60005G 0.0 <2.0kg 3.0mm 5.0mm 6.0mm 5Fr
10-60055G 0.5 2-4kg 4.0mm 8.0mm 7.0cm 6Fr
10-60105G 1.0 4-7kg 4.5mm 11.0mm 9.0cm 8Fr
10-60155G 1.5 7-17kg 5.0mm 14.0mm 11.0cm 8Fr

 

ガストリックアクセスポートが両側にある理由

  1. ポートが左右にあることにより、胃管チューブが一方から挿入しづらい場合でも反対側から挿入することでスムーズに留置できる場合があります。
  2. アブレーション施行時に専用の温度センサを食道に留置したい場合、胃管チューブとは反対のポートを利用して留置することができます。
  3. ガストリックアクセスポートを利用して持続吸引を掛けると、カフ先端部(食道入口部)付近の分泌物を常時吸引することができます。(右図)
NGポートが両側にある理由

 

挿管アシスト機能

「air-Q3を介した挿管」 を想定したデザイン

 

挿管アシスト機能

 

air-Q3シリーズ本体の表記について

デプスマーク①
門歯がこのマークの間に位置していることを確認してください。
この範囲に留置できない場合はサイズ変更を推奨します。
デプスマークの確認
デプスマーク②
サイズ表記の上に印字された数字は、コネクタを外した部分①から開口部②までの長さを表しています。
デプスマークの説明

「18」と記載がある場合は、挿入しようとしている気管内チューブのデプスマーク「18cm」の位置を持って挿入していけば、開口部分に気管内チューブの先端がちょうど位置するようになります。
これは気管内チューブを挿入し過ぎて、先端で披裂軟骨や声帯周辺を誤って突いてしまわないようにするための目安となります。
18mmの記載説明
適応体重
患者の身長に合わせた標準体重がこの範囲にある場合は適応サイズとなりますが、適切なサイズかどうかは医師により判断してください。
適応体重
MAX OETT
air-Q3を介して挿管できる気管内チューブの最大サイズI.D.(内径)を表しています。
O.D.(外径)はメーカーによって異なりますのでこのサイズより1サイズ以上小さいサイズを使用することを推奨します。
MAX OETTの説明
胃管チューブのサイズ
左右にあるポートから挿入することができる胃管チューブの最大サイズを表しています。
胃管チューブのサイズ表

 

air-Q3 サイズ 0 0.5 1 1.5 2 3 4 5
挿入可能な
胃管チューブの
最大サイズ
5Fr 6Fr 8Fr 8Fr 10Fr 14Fr 16Fr 18Fr

 

air-Q3の挿入方法

air-QⓇ3 ユーザーガイド

air-Q3 製品ページ

air-QⓇ3 製品ページ

 

一般的名称:短期的使用口腔咽頭チューブ
販売名:air-Q3 シングルユース 医療機器認証番号:304ADBZX00077000 クラスⅡ

機能区分 (1) カフあり ② カフ上部吸引機能なし